この自治基本条例に限ったことではないのですが、いろいろな立場の市民(あえて区民でなく)が議論を重ねて、政策を練り上げる、合意を高める、方向性を話し合って決める、という経験をしてみたいものだと思います。
外環問題では、必要性の有無や道路の効果を構想段階から協議する、というPI方式の会議が何年間にもわたって国交省と都の主催で開かれたのを見てきましたが、これこそ住民参画といわれていたのに、住民の努力が全く報われない、歩み寄って合意をつくりあげるなど望めない、不毛な会議だったと感じています。
私たち市民は、議論の場をたくさん経験して、学習することが必要なのです。外環の地域PIとして世田谷でワークショップ形式の会議がもたれたと聞いています。その評価はともかく、新しい手法はほかにも試みられています。
三鷹のまちづくりに関して実験的に取り組まれた「プラーヌンクスツェレ」という市民参加の手法がおもしろそうです。
「プラーヌンクスツェレ」はドイツ語。英語ではプランニングセル、直訳すると「計画細胞」。ドイツで始まったもので、くじ引きで無作為抽出された委員により公平性を確保し、有償制にして参加責任をもたせる、十分な情報提供を受けて討議を繰り返し、政策形成にいたる、というものです。
今回の条例見直しでこれをいきなりやれといっても難しいと思いますが、正直なところ、アンケートや意見提出の限界を感じています。今後杉並が自治を高めていくうえで、討議の経験を重ねることは重要であり、そのことのもつ意味は大きいと考えます。プラーヌンクスツェレをふくめ、研究していくべきだと思います。
写真 須田春海さん(市民立法機構 共同事務局長)と 3/8 『徹底討論 〜岐路に立つ東京23区〜「廃プラスチックの焼却はリサイクル」 ウソ?ホント?』で