お医者さんも困る後期高齢者医療制度

「後期」やめて「高貴」に書き換えよう

医療制度改革によって創設された後期高齢者医療制度が4月1日から始まります。何しろ医療費の抑制が目的で導入された制度なので、75歳以上の高齢者を一律に自動的に加入させて保険料を年金から天引きし、滞納者は保険証を取り上げる、というもの。高齢者からの悲鳴が聞こえます。

区議会予算委員会の最終日、「おかしなたとえになりますが、もしいまのお年寄りたちが若くて元気なら、一致団結してデモ隊を組み、厚労省前で座り込みをしても不思議ではない、それほど過酷な制度だと思います」と意見を述べました。

でもこれがお医者さんの立場から見るとどうなのか、ということは、26日に区内の開業医で高齢の患者さんをたくさん診ておられるK先生の話をうかがうまで考えたことがありませんでした。

準備不足でさまざまな課題が山積したままでの出発となった、と聞いていたのは診療報酬を受け取るお医者さんにとってこそ、言えることだったようです。

新制度に基づく算定では、正当な医療行為を行うと採算割れになるおそれがあること、診療計画の作成など煩雑な事務作業が発生すること、などのリスクがあり、4月以降に新制度を使わずこれまで同様の診療料算定でいくお医者さんが多いのではないか、とK先生は言います。

「後期」とくくられることに腹が立つ、ショックを受けるという声をたくさん聞きます。先日ある人は「『後期』と書かれた文字を『高貴』と自分で書き換えちゃう」と言っていました。ほんとにそうです、そうしましょう!と思わず私も言っていました。

先ほどの予算委員会での意見は次のように続けました。

しかし国全体で医療崩壊が言われるいま、将来の医療制度を見据えて、この新たな制度に積極的な意味を見出す以外に方策が見つかりません。そして後期高齢者医療広域連合の議会に議席をもつ杉並区は、高齢者の生活実態をとらえ、よりよい制度に向けて強く働きかける義務があります。私たちも、実際に運用されていくなかで、今後改善のための提案をしていきたいと思っております。