ということは、司書は「職員会議に出られる」位置づけであるべきなのです。これは都内のどこでも実現していませんが、たいへん重要なポイントです。
学校IT化推進計画に沿って設置が進められている図書館用パソコンについては、データ入力やバーコードを貼る作業の進捗、活用状況に、学校間で大きな差が生じていると聞きます。ボランティアが多く作業にあたったようですが、図書の専門家でも責任者でもないため現場で混乱が生じ、さまざまな不具合を抱えたまま、学校によっては使われていないのだとも。
IT化の進む現代に欠かせない教育として、情報リテラシーに関して質問しました。リテラシーとは文字の読み書き能力のことをいい、読書はその能力を磨き高めます。情報が洪水のようにあふれ、自分の頭でものを考えずにすんでしまいがちな現代社会にあって、膨大な情報を分析し自分に合うように使いこなす能力、すなわち「情報リテラシー」をはぐくむ教育が欠かせないものとなります。
情報を読み解いて判断し取捨選択し活用する能力を養うことは、子どものうちから始める必要があり、血の通った図書教育が求められます。
これらの質問に対し区の答弁は、総論的には理解を示す一方、「専任の司書配置を」という点については「地域のボランティア・・・うんぬん」という、従来の路線にそった見解を繰り返すにとどまりました。
ただ、学校司書の仕事が、時間の切り売り感覚では務まらない、奥の深いものだということ、ボランティアという不安定な形での登用では人の能力を十分に生かせないことを、区には知ってほしい。また「評価しない大人がいる」ことで、学校図書館が子どもたちにとって心休まる貴重な場になりうることも。
「いつも同じ人がいる」ことが「第2の保健室」としての効果を生むようなのです。学校図書館はまだ発展途上にあります。
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