でもこれでは少なすぎる、野良ネコは減っていかない、という指摘はよく聞かれます。同じ予算なら、1匹あたりの金額を減らして、全額負担でなく一部助成とし、その分対象とするネコの数を増やすべき、という声にはなるほどと思います。
手術の際には、獣医師会との契約で予防接種などのほか、個体識別用マイクロチップの埋め込みと耳ピアスをつけることになっています。しかしマイクロチップは、飼われているペットには動物愛護管理法により装着が義務付けられているものの、野良ネコには必要なしという専門家が多くいます。
マイクロチップはそれ自体が数千円かかるうえ、専用の読み取りリーダーがなければ意味がない、しかもその器械はあまりにも高価なため普及しておらず、実用的とはいえません。マイクロチップの分の費用を手術後の血液検査やより多くのネコの手術費用にふりむけられることが望ましいと考えます。
また、不妊・去勢手術済みであることを示して二重にメスを入れられるのを防ぐために装着される耳ピアスは、とれやすく炎症をおこすことがあるといわれ、施術済みのマークなら、いまはピアスより耳カットが主流になりつつあります。
これらについて質問したところ区は、グループにより適正に管理されているネコであることの身元証明としてマイクロチップは必要、という考え方を示しました。
昨年策定された「飼い主のいない猫の世話・杉並ルール」の普及啓発チラシを広めるため、簡略化するなどの工夫や、ペットショップやペットフード店に置かせてもらうなどの提案に対しては、すでに準備を進めているとの答え。
「動物との共生プランへの提言」はイヌも鳥も、他の動物にも当てはまるものです。動物好きの人も苦手な人も、動物の命を尊重しともに気持ちよく暮らせる杉並区でありたいものです。
写真 青梅街道のイチョウ並木も色づく 12/1南阿佐ヶ谷