2月6日は区内の市民団体主催による「学校から排除される子どもたち/教育格差と貧困」。そのタイトルからもわかるように、いま公立学校で進行する競争と選別、親の貧困が生む子どもの問題に目を向けた内容です。
現場からの事例報告として、不登校の中学生のための教室で教える先生は、弱肉強食の新自由主義的な「教育改革」が成績の振るわない子を切り捨て、保護者も教師もストレスを増大させていると語り、まず問題提起。
都立高校の先生は、10年前に104校あって教育のセーフティネットの役割を果たしてきた定時制夜間高校を38校にまで減らした都教委の改革に疑義を唱えました。またシングルマザーの立場からは、母子家庭の6割が貧困状態にあり、教育格差がひろがっている現実を訴えました。
これらを受けて作家で映画監督の森達也さんと保坂展人さんの対談も、いま社会で起きているシリアスな問題が子どもの周辺に暗い影を落としている現実を取り上げながら、政治の変革が必要、との結論で一致しました。
そして翌7日の杉並区と区教委主催「教育フォーラム」。地域運営学校と学校支援本部の実践校、3校からの報告が発表された第1部と、「地域ぐるみで教育立区をめざして」と題する第2部パネルディスカッション。
第1部で発表された、地域あげての学校支援の取り組みは、文句のつけようがなく、すばらしいと思います。また第2部のパネリスト、大宅映子、橋爪大三郎両氏と山田区長、コーディネーターの金子郁容氏、いずれ劣らぬ著名人の発言・提言には興味深いものもありました。
ただ、前日の「格差と貧困」を論じた集会の直後だけに、現場からこぼれおちる子どもたちやストレス過剰で精神的に追い詰められる先生たちへの視点がどこにあるのだろうと、そればかりが気になってしまいます。
あまりにも違うという事実のほうに、得るものがあったように思います。
写真 高齢者福祉の勉強会 杉並ネット事務所で1/15