自殺を踏み止まらせるようなメッセージがほしい

予算特別委員会の質問より①

杉並区では、2007年113人、08年106人が自殺で亡くなっており、人口比でいえば多いほうではないが、30代が多い傾向が見られます。経済の急激な落ち込みで、決算期に向け自殺の増加が懸念されています。区の予防対策は十分なのだろうか、と予算委員会で質問しました。

区では窓口業務担当者の連携会議をつくったということです。直接区民と顔を合わせる職員には、アンテナを磨いて感度をよくし、小さなサインを見逃さない、悩みを引き出すスキルが求められます。また次の支援策をすぐに打つための連携体制をつくっておくことが必要です。

小学校の転落事故を教訓に、学校の危機管理対策としてヒヤリ・ハット情報の共有システムが庁内にできました。自殺防止においても危機管理対策として、多くの事例を共有するシステムが必要なのではないか。そのときに個人情報に踏み込むこともあるかもしれないけれども、命を優先させるためにはそれを恐れない、という覚悟がいるのだと思います。

相談機能の充実はもちろん、民間の電話相談から区につなぐ連携も欠かせません。でも向こうからやってくるのを待つ、受け身の対策だけでいいのか。こちらからの発信が必要ではないのでしょうか。

区民生活において今後しばらくは経済のマイナス成長が続くと見るのは誰もが一致しているところです。でもいつかプラスに転じるのなら、あと○年したら苦しい時期を抜け出せるからそれまで持ちこたえよう、がんばろう、というような展望やメッセージを発信することが大事なのではないか。

区は、緊急経済対策を打ちました、雇用対策もやりました、地域活性化の商品券も、やることはやりましたから、区の義務は果たしましたから、というアピール性は感じるのですが、小さくなったパイを分け合おう、一緒に乗り越えよう、という姿勢が感じられないのが正直なところです。

死にたいと思っている人を踏みとどまらせるようなメッセージを届けることが必要だと思うのですが—。明快な答えは聞けませんでした。