食品安全委員会がなんと言おうとクローン牛はイヤだ

操作した生命を「食品として安全」だなんて

おどろきました。なんと日本国内の昨年9月時点でクローン牛がすでに累計で557頭、クローン豚335頭が誕生していました。96年に世界初のクローン羊「ドリー」が誕生した2年後に日本でもクローン牛が生まれ、以後は毎年生まれていたのだそうです。

けれどこれまで生存しているのは牛82頭、豚35頭にすぎず、それ以外は死産、生後直ぐに死亡、病死だといい、それだけでもこの技術はまだ完成されたものでないこと、問題が多いことがわかります。

内閣府の食品安全委員会が厚生労働省からの諮問を受けてクローン牛・豚の食品としての安全性を評価し、「従来の繁殖による牛や豚と同様であり安全」とするお墨付きを出したことは、納得できるものではありません。

評価案について意見提出を受けたのち、答申として確定されます。安全性がOKでも流通までOKとするものではない、ということを政府高官が言ったようですが、この評価が大量生産への道を開くことは確実です。

生命を操作することの功罪や、自然界では起こり得ない生命体を人為的に製造することの意味、環境への影響などが十分に議論されたわけでもないのに「食品として安全」だなんて安易に言わないでほしい。

ヒトは命を食べる動物である、ということを自覚・認識したうえで、だからこそ、生命に対しては畏敬の念を失いたくないと思う。

そういう消費者の生命や食に対する思い、単純に「クローン技術はイヤだ」という素朴な、しかし心底根深い感情がどうして「評価」に反映されないのか、歯がゆい思いでいっぱいです。

食品安全委員会がこの件について意見を募集しています。4月10日までだから、まだ間に合います。私も意見提出しようと思っています。

写真 春爛漫の桜 4/5善福寺川尾崎橋