消費者向けの貸付、すこしは要件緩和されそう

09年第2定例会の一般質問より②

国の事業として都社会福祉協議会が実施している生活福祉資金貸付は、消費者が多重債務に陥ることを未然に防ぐ意味でも、多重債務者が生活を立て直そうとするときのセーフティネットとしても活用が期待される融資制度です。

しかし厚労省によれば08年3月末で原資2065億円のうち貸付額は967億円、未貸付が1098億円にもなり、十分に利用されているとは言い難い状況です。杉並区では昨年の相談件数212件に対し貸付に至ったのは13件とのこと。

連帯保証人の要件が大きなネックになっています。連帯保証を頼めるくらいなら借金を頼むはずで、それができずに相談にくるのですし、まして保証人には所得証明の提出を求められるため頼みにくいのは当然です。

区に対応を求めたところ、国が連帯保証人要件の緩和を含めて見直し予定といい、その動向を見守っていくとのことでした。

同じようなことは、緊急小口資金貸付制度についてもいえます。貸金業規制法の改正に合わせて上限がそれまでの5万円から10万円に増額されたのは、消費者金融などの過剰な貸し付けを抑制する分、必要な人に低利で貸せるようにという多重債務者の救済をめざしての融資拡大ですが、これもやはり利用が広がっていません。

消費者向けのセーフティネット貸し付けとしてもっと有効に機能させるべきなのですが、貸付の使途が限定されすぎたり、ときには要件の解釈が厳格に過ぎたりするのでは、と指摘されています。

緊急の案件に対しては現場の判断で手続きを簡略化し素早く貸付するなどの方策を、との質問に対し、区は「国の事業なので現場の判断では無理」と答えるにとどまりました。