都教委の暴挙! 中高一貫・特別支援全校で「扶桑社」を採択 

歴史、公民とも「つくる会」教科書を押しつけ

都教育委員会は、7月23日の定例会いらい延期していた都立中学校の教科書採択を8月14日の臨時会において実施し、視覚障害校を除く特別支援学校と中高一貫10校のすべてで扶桑社の歴史教科書を使用すると決定しました。ああやっぱり。

公民教科書も、来年開校する予定の中高一貫4校(富士、大泉、南多摩、三鷹)と視覚障害特別支援学校以外はぜんぶ扶桑社が選ばれるという、この不思議。というより異常。

都立校はどの教科もみんな同じ教科書というならわかりますが、国語、数学や英語などそれぞれ決して一律でないのに社会科だけが右へならいで、中高一貫校についていえば白鴎の開校以来ひとつの例外もなく、“あの”問題の多い扶桑社とは、これが暴挙でなくてなんでしょう。

委員会では5対1で決まったとのこと。全員一致でなかったのならさぞ激論が交わされたのかといえば、それはなくあっさり決まったのだそう。先の都議選の結果を石原都政に対する都民の抗議とみてしん酌しようという発想などまったくされなかったようです。

審議を傍聴した白鴎有志の会のSさんは、「採択後、10名ほどで指導部に抗議に行きましたが、ドアの前に教育委の事務局や警備の人間は立ちふさがり、あげくに中から鍵をかけてしまうなどまことに無礼な対応をされました」と怒りを込めて報告しています。

都教委には杉並区教委に抗議したのと同じこと、「この採択を撤回し手続きのやり直しを求める」といわなければなりません。

それにしても、区教委への抗議文にはそこまで書かなかったけれど、「つくる会」周辺の人々の関心事は子どもでも教育でもなく、また純粋な意味での政治ですらなく、醜い権力闘争あるいは狂気の自己顕示なのでは?

そしてそれを推進する勢力のこと、その勢力を支持、または消極的な支持すなわち野放しにする民意があることも、しっかり認識しないと。