効率よく本が回転し、いつでも開いていてタダでベストセラー本が借りられ、カウンターの人が笑顔で愛想がよければそれで満足、というだけの図書館を区民が求めているともし区が考えているとすれば、それは大きな間違いです。教育立区の看板も降ろしたほうがいい。
図書館は運営が変わったからといってすぐに変化が現れるものではなく、失ったものの大きさに気がついた時にはもうすでに取り返しがつかない、という事態になりかねません。ここで方針を見直すべきです。
区の説明によればこの方針は行財政改革を定めた「スマートすぎなみ計画」の実施プランですでに決定済みであり、いま急に決めたことではない、図書館協議会においても逐次報告されている、といいます。
図書館協議会というのは、中央図書館長の諮問を受けて議論する有識者・専門家会議で、図書館法で設置義務とされていませんが杉並区では設置されています。しかも23区で唯一、条例に基づく設置であり公募の市民枠もあるという、高く評価されるべき市民参画のしくみといえるでしょう。
しかし直近の図書館協議会では今回の方針について、また方針の正当性を裏付ける有力な根拠とされた図書館の運営評価の扱いについて、疑義や異議が出され協議が継続中です。
区のいう「説明は十分にしてきた」とする見解と協議会メンバーの「突然ふってわいた」という印象の落差はあまりにも大きく、このまま事業者選定に入ることは協議会との信頼関係にひびを入れることになりかねません。
方針見直しを訴える区民の運動は活発さを増し、区議会でも、今回の一般質問では私を含めて6人がこの問題をとり上げました。区職員組合も先日、日本図書館協会理事の常世田良(とこよだ・りょう)氏を呼んで講演会を開催するなど、図書館の今後のあり方を考える動きが広がっています。
常世田さん講演会については後日、書きます。