公共事業の工事を請け負った業者が不当な低賃金で雇用するなどというのはあってはならないことです。これを防ぐ仕組みとして業者が入札する際の電子自治体共同運営での共同格付があり、労働法の順守など担保されていると区はいいます。
また杉並では入札における透明性、競争性、適切な履行…などをめざして改革に取り組んでいるといい、入札監視委員会を設置しているとのこと。ただし外部評価委員会と共同設置、というか兼ねているようです。
要綱をみると外部評価委員会の所掌事項は、行政評価から個別外部監査のテーマ選定、入札と契約に関しては意見することと利害関係者からの苦情申し立て処理までと、広範囲にわたっています。
年4回の会議でこれだけのことをやりきれるのか。苦情申し立て処理の実績はないということだったし、監視の目がきちんと行き届いているのか、実際のところはわからないのではないか。
総合評価方式を採用したのは去年の芸術会館の舞台施設工事のときの契約がそうでしたが、ほかにはあまり例がないようです。でも、総合評価方式の簡便な手法について現在検討中とのこと。価格オンリーでない入札の導入に向け杉並区が動いていることがわかりました。期待が持てます。
人権の観点から、雇用を守る、賃金保証する、障がい者の雇用など、また環境配慮の面からも、事業者の努力が当然求められる昨今です。自治体におけるこれからの契約のあり方を定める時期に来ていると思います。
つい最近、千葉県野田市が、最低賃金を定めた「公契約条例」を制定することになったのは明るいニュースです。杉並区もぜひ条例制定を、と見解を区にたずねたところ、「それは国が法で定めること」という答えが返ってきました。
確かに国の法整備がまだできていません。でもこういう自治体のポリシーこそ、国に先駆けてやれば杉並区の株が上昇するのは間違いないのになあ。