セーフティネットとしての「住宅マスタープラン」を当事者参加で

09年第4定例会議会質問より③ 高齢者編その3

ひょうたんの木? いえサクラです。 井草の畑にて
ひょうたんの木? いえサクラです。 井草の畑にて
持ち家のある高齢者には生活の問題がないかといえば、そうではありません。先に引用した「ひとり暮らし高齢者実態調査」によれば、区内に住む75歳以上の3分の1は年間の収入が150万円未満です。

住み慣れた家で安心して老後を送るための、不動産を担保に生活資金が借りられる制度、社会福祉協議会が窓口となっている「長期生活支援資金貸付制度」、いわゆるリバースモーゲージについて質問しました。

生前は借金返済の心配が無用で、亡くなった後に自宅を売って返済に充てるという、合理的なしくみですが、当事者はじめ、地域包括支援センターや民生委員など高齢者にかかわる人々への知名度が低くしくみの理解もされていないと見え、これまであまり活用されてきませんでした。

この10月に制度の見直しがされたので、今後の活用状況を見ていきたいと思いますが、もっと周知に力を入れ普及してしかるべきと考えます。

さて、これらすまいに関わる諸問題の多くは、高齢者だけでなく障がい者、ひとり親世帯など社会的弱者に共通する問題であることに気がつきます。、セーフティネットを必要とする人々に対象を特化して住まいのあり方を検討し、区としての基本政策を定めるべきと考えます。

「スペシャル住宅マスタープラン」とでもいうべき政策を、当事者や日常的に介護・支援などに携わっているボランティアやNPO関係者を交えて議論しつくりあげることが必要と考えます。

杉並区は、高齢者の介護施設の整備計画「安心・安全プラン」を策定したところです。在宅についても、介護度が進むなど、ライフステージが変わったときに住み替えができ、心身ともに健康に老後を暮らせるためのしくみを、NPOなどもふくめた民間との連携で整備することが求められます。

以上述べて見解をたずねると、都市整備部長から「『高齢者の居住の安定確保に関する法律』の改正をふまえ、ライフステージに沿ったすまいの仕組みづくりも視野に入れて、高齢者福祉部門とともに検討していく」という答弁が。部署を超えて連携するという点がいいと思います。期待しましょう。