質疑のあとの採決にあたっては、苦言や注文をふくめて会派意見を述べ全文はこちら生活者ネットはいずれも賛成としました。
苦言というのは、検討のプロセスの段階にも条例のどの部分を改正するのかについても区民の意見を聞く場が設定されなかったこと。この間、市民参加といえるのは唯一、9月から10月にかけて行われたパブリックコメントのみで、区が決めた項目以外の部分は見直し対象から外されました。
ほかならぬ「自治」を論じる条例について区民が制定にかかわるせっかくのチャンスだったのに、と思うと率直なところ残念です。
今回、自治基本条例に災害対策と危機管理の項目を新たに加えることとされました。悪くはないけれど人権、環境権などが自治条例の項目として検討されてもよかったのではと思うし、区民に問いかければもっとさまざまな価値観や理念が提案され、議論を深めることができたろうと思います。
たとえば「平和」「自由」などの文言を前文に加えるのはどうか。「子どもの権利条約」にもとづき「子どもの参画」をこの際明記しては。あるいは「地域自治」について、この機会に区の考えを整理し条例に盛り込むべきだったのでは、など次回の改正に向けての課題としてほしいと述べました。
議会基本条例の制定も今後の課題です。議会改革検討調査部会における前向きな取り組みを期待するところです。
いずれにしろ、この2条例は「新しい公共」を実践するときのテキストであり、使い慣れ、使いこなしてゆくなかで、民主主義の「自治」を育てていくための道具。飾りものではありません。これを機に杉並区の自治が深く根を張っていくよう、生活者ネットも力を尽くす決意、と述べて結びとしました。