近藤惠津子さんにきく「GM食品はなぜいけないか」

食の問題より「環境」「農業」の問題

交流会では持ち寄りの手料理が並びました
交流会では持ち寄りの手料理が並びました
1月11日は生協の運動グループ地域協議会の新年会(こちらも)。今年はCSまちデザイン理事長の近藤惠津子さんを講師に「遺伝子組み換え(GM)食品」についての講演から始まりました。

96年から輸入され始めたGM農作物。日本では生産されていませんが、世界の農場では作付面積が年々増え続けています。96年170万haだったものが08年は1億2,500万ha。12年間でじつに73.5倍、日本の全農地面積の27倍というから驚くべき事態です。

この1億2,500万haを国別に並べるとダントツ1位が約半分を占める米国、2位がアルゼンチン、ブラジルと続きインド、中国、カナダの上位6カ国で97%にのぼる。また種別でいえば約半数は大豆、次がとうもろこしで、この2種はいずれも米国内での作付けを増やしています。

これを「仕方がない、受け入れる」とするか「絶対にいや」とするか。当然後者が多いだろうと思いきや、近藤さんが中学3年生の授業で子どもたちに質問すると、答えは半々なのだそう。ショックです。

GM食品はなぜいけないのか。理由はいくつもあるのですが「絶対に農薬をつかう農業」「食の問題というより環境問題」という近藤さんの指摘が端的に表していると思います。地球のためにならない、ということ。

この認識が広がらなければならないのに、実態は全く逆の方向に進んでしまっている。米国産大豆の91%、コーンの85%はGMだなんて。

しかし希望もあります。90年代当時は栽培されていたGMジャガイモがいま作られなくなった、それはマクドナルド社が「うちではGMポテトは使わない」と宣言したからなのだそう。日本で実験ほ場以外にGM作付されていないのも日本の消費者が歓迎しない、従って商品化されないからです。

やっぱり鍵は「消費者」です。価格でなく「環境」や「持続的農業」をキーとして選択する消費者になること。そしてその選択を可能にする表示が重要なのです。