答弁は「児童、生徒を取り巻く環境に働きかけ、その改善をめざしてつねに子どもの立場に立って活動しています」と。安心しました。
SSWrの取り組む課題には、複雑で深刻なものがあるに違いありません。時間をかけた対応や同じ人が継続して担当することが必要なケースが必ず出てくるでしょう。そう考えると現在の4人はとうてい十分な人数とはいえません。ワーカーの登用を増やすべきと思いますが、それは今後の課題と区教委はとらえているようです。
人材育成と普及啓発についても質問しました。ワーカーの質的向上と活動支援のため、ブラッシュアップ研修の実施が必要です。ケーススタディを重ねること、対応の実績を積み上げることも重要ですし、ワーカーが動きやすいような環境づくりも求められます。
また、スクールカウンセラーとの違いや、SSWrの役割の重要性をひろくアピールするべきと思います。とくに、児童青少年委員をはじめとする、子どもにかかわる機関の関係者への啓発が求められます。
区教委の答弁は、今後「大学専門研究者による指導・助言、事例検討会への参加などにより力量形成を図る」としています。
じつは、この質問をした日のちょうど前日、東京・生活者ネットが開催したSSWについての学習会があり、日本にSSWを導入し広げてきた、まさにこの分野の開拓者である山下英三郎さんの話を聞いたところでした。
山下さんが、ほかならぬ杉並区のSSWプログラムの指導や助言にあたっていることをそのときに聞いたので、答弁で「専門研究者による指導・助言」と言うのを聞き、ああこれは山下さんのことだ、とすぐにわかりました。
どんな人を助言者にするかでSSWのありようが変わってくると思いますが、杉並区教委は、最適の助言者を得てSSW事業を進めているといってよいようです。