選任司書のいる学校図書館、11校から22校に

予算特別委員会の質疑より①

議会の会派控室で
議会の会派控室で
昨年、区内11の小中学校で選任司書が配置されたことは、市民グループのみなさんと活動し議会質問で取り組んできた経緯から、大きな一歩と評価しています。ただ、この11人の司書の位置づけには課題が…。

昨年の予算委員会で質したことですが(こちら)、それは、11人の人件費が緊急雇用対策の交付金の活用であったことです。不安定な雇用形態で成果が期待できるのか。そう心配しながらこの事業の進捗を見守ってきた者にとって、昨年選ばれた11人の仕事ぶりがたいへん好評なだけに、その後の予算付けに注目していました。

果たして2010年度予算では、現在の11人は教育費予算による継続雇用となりましたが、新たな増員として11人分が緊急雇用創出事業臨時特例補助金として予算計上されました。また11人、また緊急雇用。…なぜ?

同補助金は、厳しい雇用状況を受けて国と都が交付する対策費であり、杉並区では今回、学校司書のほかに住民登録の実態調査、地域の市場調査、商店街マップ作成など、「つなぎ」的な雇用にあてるとしています。

司書配置の拡大は大歓迎なのですが、緊急雇用の位置づけは事業の継続が必ずしも保障されないことを意味しており、もしやこれが施策に対する「本気度」を示しているのでは、という不安がどうしても払拭できません。

そこで区教委の見解を質すことにしました。疑問を率直にぶつけてみると、「限られた財源の中で、有効に」司書配置の拡大を進めている、との答弁が返ってきて、区の誠意を感じ取りました。

子ども読書活動推進計画の改定にあたって「学校司書の全校配置をめざす」ことが確認できたこともうれしい前進です(ただし改定を機に「子ども」をわざわざ「子供」と変えようとしているのはいただけませんが)。

何より、教育長が前向きな取り組みを明言したことは大きな力を得た思いです。