話は変わりますが、環境自治体会議の研究所が低炭素地域づくりの考え方と政策支援ツールについての研究成果を報告するというので、聞きに行きました。
低炭素社会の実現をどうするのか。自治体の特性に合った政策を立案する必要があり、その前提となる実態の把握のしかたは、理論の立て方によって多様な切り口がありそうです。その多様で複雑な考え方を整理し実態を数値で把握できるように、計算をパソコンでできるフォーマットなどのツールも開発され紹介がありました。
たとえば人口、就業者率、年齢構成、平均収入、自治体財政、産業構造…などのデータをフォームに打ち込むとCO2排出量の推計ができる、というマジックのようなツールは、高度な数学のようで正直言ってよくわかりません。わからないけれど、実際に必要な研究であることは確か。
温室効果ガス削減はどの自治体でも取り組まねばならない喫緊の課題であることは間違いなく、そのためには実態を正確に把握すること、そのうえで削減目標を数値でとらえ具体的な行動計画を立てなければなりません。
報告を聞いていて、全国で一律の基準で把握することもまた重要で、そういう研究は国が責任をもって研究し自治体の低炭素施策を支援しなければいけないのでは、と思いました。
でも一番印象に残ったのは、自治体の将来像を考えるときに重要なのは高齢化率などのシミュレーションより「地域をどうしたいのか」というビジョンのほう、という話でした。そこで、冒頭の教育長のフレーズを思い出したのでした。どういう学校のあるまちにしたいか、というビジョンが低炭素地域づくりにあんがい役立つのではないか、と思ってみたりして。