廃プラが動くベルトコンベアーの上で、異物や不適切なものを人の手で取り除かれ、1辺1メートルの立方体(ベール)に圧縮・梱包されるまでの工程を間近に見てからは自宅のごみの出し方が変わる、と参加者が感想を述べています。
廃プラ資源化が、どこか遠くの土地ではなく、身近なところで確認できることが望ましいのです。ごみ処理の自治という視点から、せめて中間処理は自区内で行うことが成熟した自治体のあり方であり、公平な負担のあり方なのだと思います。
リサイクル事業は安易に焼却するよりはるかに高いコストがかかります。プラリサイクルをしない自治体の理由はこの点です。杉並では苦しいけれどこの費用を区でまかなっていますが、その現状を区民に問題提起することも重要です。
というのは、リサイクル費用は自治体がほんとうに負担しなければならないものなのか、考える必要があるからです。
区が負担するということは、プラスチックを使わない、プラごみを出さない人にも処理費用が課せられることですから、理にかなっているとはいえません。ごみを出す人がその処理費用を支払うしくみに変えなければなりません。
製品をつくる生産者が、消費し終わって廃棄物として排出するところまで責任を拡大すること、すなわち「拡大生産者責任」のしくみをつくることで、資源循環を継続してすすめていけるのです。
区がごみ処理やリサイクル事業の経費としていくら負担しているのか、品目ごとに具体的に数字で表わし、区民に考える機会と材料を提供すること、すなわち廃棄物会計を明らかにすることで、ごみ処理の負担のあり方を見直し、拡大生産者責任の確立に向けた議論が進むようにすべきです。