所信表明のなかで田中区政が山田路線から脱却し方向転換する姿勢が示されましたが、その後の質疑でさらに変更点が明らかになってきました。
多選自粛条例について、田中区長は「参政権を一自治体の条例で縛るのはいかがなものか」と疑問を呈し、「今後検証が必要」と述べました。
「教育憲章」は思えば教育基本条例改定に向けて政府が世論形成(でっち上げ)をしかけていたころ、山田前区長が「教育立区」「師範塾を創設」などと並んで当初は「基本条例」を制定するのだと04年に提唱したものでした(こちら)。
06年には「教育基本条例」について検討する懇談会が設置され、議論が提言書としてまとめられはしたものの、条例制定をねらう前区長の真意が歴史に逆行した戦前回帰の過ぎたイデオロギーに基づくことから、区民や議会でも反発がつよく、これまで先延ばしにされてきていました。
そして今回。「(仮称)教育憲章」について問われた田中区長が「教育は教育基本法に基づいて公正中立に行われればよく、(個人的には)基本法のほかに別途制定する必要はない」という趣旨の答弁をしたとき、内心で快哉を叫んだのは私だけではなかったはずです。
杉並中継所跡地に関しては、「清掃関連事業に限定」として東京都と契約した使途規定に平成32年まで縛られるため、ことし3月末に不燃ごみの中継施設としての役割を終えたあとの活用方針がいまだ定まっていません。
これに対し区長は、使途規準について柔軟に対応するよう都に折衝する、と答弁。ということは、もしうまくいけば福祉関連施設用地とすることも可能になるのか?——今後に注目です。