杉並区がこれまで、さまざまな行政評価の手法を積極的に取り入れ、毎年改善に努めているのは、決定版と言えるような評価システムが出来上がっていない、ということでもあるかと思います。いま新しい評価システムをつくろうとしているので、有識者・専門家による外部評価のほかに、市民自治をすすめる観点から、「区民による評価を」と求めました。
対する答弁は「区民の目線に立って」より実効性のあるシステムにしていく、というもの。「区民による評価」という言葉は出てきませんでした。
「劇場型でない杉並版事業仕分け」だそうですが、民主政権の事業仕分けは「劇場型」であることで「市民に見える」長所があったわけで、区はその点を評価して「区民による、プロセスの見える」行政評価としてほしいものです。
今回の区長選は、目新しいことに飛びついて世間の耳目を集めるより、堅実で身近な生活を大事にする区政を区民が求めた結果が表れたと思います。田中区長の「区民参加」の重視や「ボトムアップ」の姿勢には共感しますが「区長として何がやりたいのか」「どういう区政をつくっていきたいのか」がよく見えません。
区長が就任早々職員に提出を求めたレポートは、「こういう評価・検証が庁内で日常的に行われるといい」というのですからたいへん興味深い内容であろうと想像します。どんなものか詳細に知りたいと私も思いますが、他の議員がその内容について情報公開を求めたところ、「文書不存在」として公開されなかった、とその質疑の中で訴えていました。
「文書不存在」とは、びっくりするような答弁が出てきたものです。法的に「行政文書ではないので公開できない」ということでしょうか。不都合な部分があるなら一部だけでも公開すればいいわけで、全面非公開というのは解せません。