再生砕石に混入するアスベストの問題に対策を

決算特別委員会の議論より③

駐車場で放置されていたアスベスト。その後撤去された
駐車場で放置されていたアスベスト。その後撤去された
 
コンクリートや建築物の廃材を砕いてつくる砂利、再生砕石は建築リサイクル法で使用が推奨されているうえ安価でもあり、道路工事での路盤材として埋設されたり作業場・駐車場に敷き詰められるなど、広く一般に使われています。

この再生砕石の中にアスベストが混入している場合の多いことをさいたま市の市民グループが現地調査によって見つけ、8月に新聞報道されました。

アスベストは自然界に存在する鉱物で、防音・防水、断熱効果の高さや加工のしやすさから、建材はじめ水道管など数十年にわたって広い用途に使われましたが、人体に有害なことから、2004年以後は製造・出荷とも禁止されています。

スレート材として多く使用されたため建築解体時には相当の対策が義務付けられていますが、不適切な処置がされたものと思われます。報道後も全国各地で再生砕石中にアスベストが見つかり、対策が急がれています。

さいたま市のグループ代表、斎藤紀代美さんは私の友人です。杉並区内でも見つけた、と彼女が知らせてくれ、現場に行ってみると、それは再生砕石というより、スレート材を砕いたものを駐車場のすみに砂利の代わりにまいたようでした(写真)。

肉眼で見てもアスベストと思われる繊維が確認できたので、区の環境課に知らせ、持ち主に適切な処置をするよう指導を依頼しました。

この場合は再生砕石ではなかったのですが、斎藤さんたちの告発により日本中至るところに、形を変えたアスベストが存在している可能性が濃厚になりました。

たとえ地中に埋められて今は飛散のおそれがなくても、いつか解体されるときには問題が浮上します。ことは作業員など人の健康にかかわる問題であり、環境問題です。

区内には建設廃棄物処理事業者はいないとのことですが、建設解体時の監視を強化するよう、国が建設業界団体と地方自治体に対して通知を出しています。建設課や環境課など関係部署が連携しての適切な対応を求めました。