いじめ自殺を防ぐ 子どもを救う社会的しくみが必要では

SCやSSWがいれば悲劇を防げたかもしれない

子どもが学校生活でのつらさを苦に自殺するという悲劇が、10月23日群馬県桐生市でまたおきてしまいました。小学6年生の少女はクラスでいじめにあい、給食をひとりで食べるなど孤立していました。

いじめの事実は少女が書き残したものや家族をはじめ周辺の人びとの証言から明らかであり、学校もそれは認めています。ただそれが自殺の原因と認めようとしないのは、責任逃れとしか思えません。

学校は、クラス内で何があったのかを検証し、教育委員会や遺族にも報告する必要があります。また教育委員会は、そのようなことが当該校のみならず2度と起こらないような対策を立て、総力をあげて取り組まなければなりません。

思うに、この学校にはスクールカウンセラー(SC)が配置されていなかったのではないか。もしSCがいたなら本人にしても担任にしても何らかのアプローチをしていたに違いない。だとすれば悲劇は防げたのではないか。

SCが未配置とすれば、ましてスクールソーシャルワーカー(SSW)の配置はないでしょう。でも、ひょっとしていじめの原因のどこかに何か複雑な問題がかかわっていたのだとすれば、そしてそこにもしSSWがいれば、福祉的な役割を担うSSWの活動が子どもを救えたのでは、と思えてなりません。

いじめた側や担任教師にも救済や支援が必要だったのかも知れないからです。「加害者」にしない、加害者をつくらないための支援、それこそが防止策ということになるでしょう。

そのようなしくみとして、文科省が予算をつけて全国の小中学校にSCやSSWの配置をすすめる、というのはどうでしょう。SSWについてはまだ歴史が浅いので全体化する段階に至っていないのか。SCはかなり広まっていると思いますが。