「人体に影響を及ぼす数値ではない」という政府の広報は体外被曝のことだけを言っているので、「過剰反応せず冷静な対応を」という呼びかけには応じたいと思いますが、体内に取り込んだ後の体内被曝のことを正しく伝えなければいけない。チェルノブイリ事故ののち子どもに甲状腺がんが多発したのは、この体内被曝によるものだったのだから。
ただし、出荷停止された生産農家が気の毒でなりません。このままでは農業が崩壊してしまいます。生産者は何も悪いことをしていない。補償をどうするんだ、と記者会見で質問された枝野官房長官が「東京電力が」と答えたのは当然です。
今回の事故は、津波による電気系統の切断がそもそもの原因のようです。電気を使って制御していたものが、不通になったために熱を抑えられなくなり、爆発、火災をおこし、最悪の事態を防ぐために大量の水をかけて冷やしている・・・というのが私の理解ですが(単純化しすぎでしょうか)。
何時間も放水する映像を見ていて、これまで原発を「高度に知的な科学の粋を集約させた施設」と考えていたのは違っていた、と気づきました。電気をおこす原理は蒸気機関と変わらないし、制御するのは水で冷やすことなのだから。
こんなに何日間も、おそらく一流の技術者が不眠不休で事態の収束に努力しているのに、まだ「予断を許さない状況」と言わなければならないのだから、原発とはなんとやっかいな装置なのだろうと思わずにいられません。
加えて食品、水道水が汚染とは。これから原発がいまの危機を脱しても、この先どこまで影響が広がるのか恐ろしくて想像もできません。
福島原発はもう全基とも廃炉でしょう。同じことは多くの人が考えたらしく福島原発の「廃炉」を求める有志の会が立ち上がったというので、私も署名しました。
それにしても。東電の記者会見が毎日のように行われますが、社長が現れないのはなぜなのでしょうか。以前一度は顔を見せたように思いますがそれっきり。この一大事に、トップが国民に対して状況説明と謝罪をすべきではないのですか。