ケーブルTVで山田太一作の大河ドラマ『獅子の時代』をリバイバル放映しているのを見つけたときはうれしくて、せつないほどでした。1980年の1月から12月まで、日曜日が待ち遠しくてたまらなかったNHKの連続ドラマです。
幕末から明治維新にかけての時代を背景に、会津人の菅原文太と薩摩人の加藤剛、ふたりの下級武士の生きざまを通して、歴史の大きなうねりと、それに翻弄され抗いながら、人間らしく生き抜こうとする精神を描ききった傑作だったと思います。
有名な小説のドラマ化ではなくオリジナル脚本であること、主人公が歴史上の権力者ではなく名もない庶民であることで、他の大河ドラマと違っています。何より菅原文太が演じた主人公の、バイタリティあふれ心優しく強靭で不屈の精神に満ちて清々しい、そのキャラクターの斬新だったこと。魅力的なこと。
結局そう何回も見られはしなかったのですが、最終回だけはテレビの前に座り込みました。明治政府の圧政に蜂起した秩父の農民たちを率いた菅原文太が、最後はひとりで、片手に刀、もう一方には丈高く掲げたのぼり旗をはためかせて荒野を疾走する場面は、思い出しただけで胸が熱くなってしまう…。
そののぼり旗に描かれた文字が「自由自治元年」なのです。
自由自治元年。いま私たちが身を粉にして活動している「原発都民投票」が実現すれば、2012年はまさにそう呼ぶのにふさわしい年といえるのではないか。そう思います。
東京都有権者の2%の賛同署名を獲得し、都民の自由自治元年としたい。もうやるしかありません。