隣国同士「こんなに似ている私たち」がなぜきしみあう

近所のお宅でひらかれた生協の試食会で小さな参加者と 9/1

日本の周りは海なので、北朝鮮、韓国、中国は全部「となりの国」ということになります。その隣人同士の間で、領土・領海や歴史問題をめぐる摩擦がぎしぎし音を立て、不気味な状態が続いています。

「尖閣」をめぐっては、都知事が「購入する」と言い出したことからそもそもおかしなことになったように思います。ヘンに所有権を突出たことが引き金になって中国の対日感情を悪化させてしまっています。本来、土地も海も誰のものでもないのに。

竹島に上陸した大統領も、常軌を逸したのかと思えば支持率回復のためだという。まったくわかりません。北朝鮮がよくやる瀬戸際外交みたいなものでしょうか。政治の本旨を取り違えているとしか思えません。 

そんなとき。フォトジャーナリズム月刊誌『DAYS JAPAN』のバックナンバーに確か「こんなに似ている私たち」という特集があったはずと思い探してみたら…ありました。2006年11月号。北朝鮮、韓国、中国そして日本の、ふつうの人たちの暮らしの場面を撮って並べた特集です。 

たとえば少女たち。北朝鮮の金剛山、韓国のソウル、中国の青島、日本の江の島で、4人から8人のキャピキャピの少女たちのはじける笑顔。またたとえば公衆電話の風景。警察の若者たち。電車内。行楽地での家族連れ。母と子。子どもたち。 

似ています、どのグループも。着ているファッションや髪形の違いでどこの国かわかるものの、その顔のつくりや表情はそっくりです。こんなに似ている私たちがなぜ「一緒」に笑い合えないんだろう、と素朴に思ってしまいます。 

4つの国の庶民の日常風景を並べただけの特集ですが、発するメッセージの豊かなこと。あたたかいこと。そして重いこと。 

ついでにほかのページを繰ってみると、当時の安倍晋三首相が日の丸をバックに演説している写真が。…迷走を続ける国政にあって、自民党では安倍氏を再び党首に担ごうとする動きもあるいま、こちらにも歪んだメッセージを感じ取ってしまいました。