実施されなかった静岡県民投票とリトアニア国民投票
またしても議会で否決された「原発住民投票」。静岡県民投票の場合が大阪の市民投票や東京
都民投票と違ったのは、浜岡原発の立地県であることと、首長が住民投票の実施に「賛成」の意思を表明していたことです。
有権者数308万人の静岡県では6万2千人の署名があれば直接請求の要件に十分。それを3倍もの18万5千筆を集め、「これはもう実施する以外ありえない」とだれもが考えているに違いない。と信じていましたがそうではなかった。
静岡県議会では条例案の本質を語らずに、案文中の事務手続きの部分をことさらに問題視して反対討論とするなど、県民の意思は完全に踏みにじられた形です。採決が無記名投票で行われた場面をTVニュースで見ていたら、腹立たしさと希望をずたずたにされ汚されたような不快感でいっぱいになりました。
新聞報道によれば、中部電力や「原発ムラ」の住人から県議に「条例案に反対するよう」圧力があったといいます。やっぱり。しかしそのために反対票を投じたのだとしたら、県民に選ばれた者としての本旨を見失っています。
一方、バルト3国のリトアニアでは14日、原発建設の是非を決めるための国民投票が実施され、反対が63%を占めました。日本の日立製作所が受注するはずだった事業だそうですが、日立にはもうあきらめてもらいましょう。
ヨーロッパではドイツがいち早く原発全廃を決めたし、イタリアでは昨夏に国民投票で94%が原発再開に反対という結果になったことを受けて政策転換に至ったし、かの「原発大国」フランスでさえ、脱原発に大きく動いています。
日本でも、住民投票が実施されれば必ず結果は出るはず(それを信じない人がいるのは全く不思議なこと)です。だから国民投票を実現させたい。その前に地域での住民投票を、と思うのです。
いま柏崎刈羽原発を抱える新潟県の人たちが県民投票を求めて直接請求を目前にし、北海道でも直接請求運動が始まろうとしています。あきらめないことが次への力になります。きっと住民投票を成功させて、国民投票を実現させる。
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