里親家庭に区は支援を~11月議会の一般質問より②~

中央図書館(荻窪3丁目)の紅葉

里親制度は、東京都のしくみとするより身近な自治体である区が実施すべきではないか、区はこれを自治の問題として、都から区への移譲を獲得するため積極的に動くべきではないか。そう私は考えています。 

区は養育家庭との懇談の場をもつなどしてその実態・実情を把握し、里親の課題を区の子育て支援施策に位置づけるべきです。児童相談所の事業の区への移管は、今年ようやく実務者レベルの調整がされていると聞きます。進捗が待たれます。 

国連は乳幼児の社会的養護について「家庭を基本とした環境で提供されるべき」と方針を示し、2006年には「児童に関する暴力の報告書」で「3歳以下の乳幼児の施設集団ケアは国家による子どもへの暴力である」と提言しています。幼ければ幼いほど、施設に入所させるのでなく100%家庭的養護とすべきです。

日本の社会的養護全体に占める里親委託率は、3年前の統計で10.8%ですが、諸外国では、委託率の最も高いオーストラリアが92%、米国は77%、イタリア、イギリスでは60%を超え、フランス、カナダは50%以上となっています。日本との差の大きさにがく然とします。 

ところでフレンドホーム制度という、施設の子どもを最長で6泊7日間、家庭で預かるしくみがあります。里親制度とちがって、家庭が児童相談所を通さず施設に登録する方式です。里親になるにはハードルが高いけれど「週末や休日だけなら」と考える人は多いはず。フレンドホームの経験者が里親になるケースもよくあるといわれます。 

区内には、0歳から2歳児までを対象とする乳児院2施設、3歳から18歳までの養護施設が5施設あり、フレンドホーム制度の活用が拡がればと思います。杉並区民の社会貢献意識は他の自治体に引けを取りません。里親はもっと増やすことができます。 

子どもにとっても少しでも多く家庭的環境を体験できることは望ましいことであり、区としてもっと普及をすすめるべきと思います。