都教委の異常な「監視」に異議! 傍聴者にテロ対策はいらない~文教委員会の質疑より②
7月25日の教育委員会定例会において傍聴者に対する監視が行われた、とする週刊誌(9月13日付週刊金曜日)の記事について、10月22日の文教委員会で事実を確認しました。
なんと、20人の傍聴者全員に対し10人の職員が後ろについて監視したという。そして職員1人が自分の前の2人を担当し、その言動のすべてを記録したという、驚くべき事実が明らかになりました。
いつから、なぜそのような対応が、との質問に対する都の答えは、「7月11日の定例会において、教育委員長の制止にもかかわらず、複数の傍聴人が議事を妨害したため退場を命令したが速やかに退場せず、やむなく警備員により排除するなど教育委員会の議事に著しい支障がおきた」「7月25日の定例会から職員を配置し、妨害を行った傍聴人とその行為を記録した」といい、そのようなことが3回行われたということです。
都の説明は「妨害行為は、大声で非難する、写真を撮影する、チラシを掲げるなど…同時に複数人が行うため、予測が困難であった。著しく議事を妨害する行為などについては、法的措置も視野に入れつつ検討する必要があるため、職員を配置し記録した」と。
看過できない事件であり、私は次のように述べました。
どんな法的措置を想定されているのかわかりませんが、傍聴者1人ずつ、性別、服の色、メガネ、ネクタイ、髪形などの特徴を記す項目のほか、「発言内容等」として何時何分に何をした、だれと話した、など事細かに記録されるようになっています。ある定例会での、ある人についての記録は、「10時11分、3番の男性と何か話している。10時13分、3番の男性から話しかけられ…。10時26分、前かがみになって資料を見ている。10時32分、携帯電話が鳴った…」というように記録されており、このような記録が個別にとられていた、という状況は、傍聴者への対応としては行政として不適切です。むしろもっと開かれるべき教育委員会が市民を監視するという行為は、常軌を逸した異常なものと言わざるを得ませんし、戦慄すらおぼえます。
今後について問うと、都は「第15回定例会において議事を妨害する行為がなかったため、第16回においては同様の対応は未実施」「傍聴人規則に反する行為が行われなければ、特段の対応は不必要」「議事を妨害する行為があれば適切な対応を取り、教育委員会の円滑な運営を行うため適切に対応」などと答えましたが、テロに備えるような危機管理対策が会議の傍聴者に対して必要とは思えません。
7年後にオリンピックという国際的な祭典を開催しようという東京が、個人の自由と基本的人権に無頓着な都市であっては、都民が恥ずかしい思いをします――と、都の猛省を求めました。