DV被害者の子どもにも心のケアを ~文教委員会の質疑より②~

11月14日、文教委員会で

先ごろ、三鷹市で女子高校生がストーカー被害により刺殺されてしまう事件があり、配偶者や交際相手からの暴力が深刻な問題としてクローズアップされています。ちょうど、毎年11月12日から25日までの2週間は、内閣府が位置づける「女性に対する暴力をなくす運動」期間にあたり、ドメスティック・バイオレンス、(DV)問題の対策について質問しました。

 全国の警察に寄せられたDVの相談件数はこの10年間で3倍以上に増大しています。2011年度の内閣府「男女間における暴力に関する調査」によれば、既婚女性の約3人に1人は配偶者から身体に対する暴行、精神的な嫌がらせ、性的な強要などの被害を受けたことがあり、10人に1人はそれが何度もあったと答えています。しかも、過去5年以内に被害を受けた女性の4割以上がどこにも相談しなかったといい、大きな問題です。

 都が配偶者暴力相談支援センターとして相談事業を行っている東京ウィメンズプラザでは、2012年度に受けた相談件数17,543件、そのうちDV相談は5,224件となっていますが、先の内閣府の調査結果から、相談できずにいる人たちが大勢いることになります。周知がまだ十分でないということです。

 相談窓口の電話カードを公共施設だけでなく、さらに広く配布してほしい。女性の被害者が訴えるのは、相談カードが加害者の目に留まることが恐怖だということです。男性の目に触れないところ、たとえばデパートやスーパーの女性トイレなどにも置いてもらえるよう、積極的に働きかけることを要望しました。 

DV被害者の子どものケアについても質問しました。DVのある家庭で育つ子どもへの影響を見逃すことはできません。直接、暴力を目撃する子どもの心はたいへん傷ついていますし、そのような子どもは脳に深刻な影響を受け、ひいては問題行動を引き起こすことにつながるとも言われています。大人になってから自ら暴力を振るうようになる、いわゆる暴力の連鎖を防ぐためにも、こうした被害者の子どもの心のケアについても、しっかりと取り組む必要があります。 

困難な状況にある子どもにこそ、最善の利益が保障される東京都であってほしいと思います。しかしもっとも重要なのはDVを起こさないための未然防止の取組みです。生活者ネットワークはこれまで、予防のための取り組みを再三求めてきましたが、都が昨年、今年と学校・教育関係者や各職務関係者などを対象とした研修を実施してきたことは評価するところです。このような啓発活動をさらに推進していくよう求めました。