子宮頸がんワクチンの副反応被害を受けた中高生の学ぶ権利と試験のこと
都議会文教委員会予算審査の質疑より①
子宮頸がんワクチン接種の副反応と思われる健康被害により、女子中高生が学校に通学できないケースが生じている問題について、3月18・19日の文教委員会で都の見解を問いました。
がんばって登校しても、遅刻・早退せざるを得なかったり、体育の実技に参加できないなど授業に支障が生じたりする子どもたちは、家庭で学習するにも困難が生じています。それがどんなに辛く、悔しく、残念なことか。
神奈川県では、私学に通う高校生が子宮頸がんワクチンの副反応により学業に支障が出たため、学校側から迫られる形で中途退学せざるを得なくなった例もおきています。健康を侵され学ぶ権利が侵されている子どもに対し、学校は学習の支援を行うことが必要です。
この質問を、公立校については都教育庁に、私学については同じことを生活文化局にぶつけました。
これに対し教育庁は「担任や養護教諭が児童・生徒の健康状況の把握に努め、心身に疾患のある子に対しては学校生活でのさまざまな配慮を実施している」。さらに「けがや心身の疾病のため欠席が続くような場合、学習が遅れないよう課題や補修を行い、一人ひとりの状況に応じた配慮を行うよう指導する」と答えました。
また生活文化局も「各私学では体育実技の代わりにレポートで評価したり、定期試験の保健室での受験を認めるなど、個々の生徒の症状に配慮した学習支援を実施している」と答弁。
つづけて「子宮頸がんワクチンの接種に関連したと思われる症状により教育活動の制限が生じた生徒への対応について、個々の生徒の心身の状態に応じ、学習面を含め学校生活のさまざまな面で適切な配慮がなされるよう、各私立校に周知する」と答え、ていねいな対応を約束しました。
子宮頸がんの副反応症状として多く報告されるものに、突然、自分の意思にかかわりなく手足がふるえ出して自力でどうすることもできない不随意運動や、何の前触れもなくいきなり気を失って倒れてしまう、てんかんに似た症状などがあります。
このような体調不良のある生徒が都立高校を受検するに当たって、何らかの措置を講じるべきだと考えます。都に質問すると、「病気等により通常の学力検査の方法で受験することが困難な受験者に対し、申請に基づき別室受験、検査時間の延長等の特別措置を実施している」と、これまでにもそういう制度があったと答えました。
ただ、入学試験ではなく通常のテストでも、問題は起こります。そういうときにも、子どもの立場に立った対応を求めました。