券売機の障がい者割引ボタンと「おもてなしトイレ」~都議会一般質問より②
今年、日本は障がい者権利条約を批准し、障がい者のさらなる社会参加が期待されています。 ところが、夫が車いす生活になった女性から、電車の券売機について抗議の訴えがありました。
障がい者が介護者同伴で公共交通を利用する場合、券売機の子ども用ボタンで切符を購入し、改札口で駅員が障がい者手帳を確認して通ることになっています。大人の障がい者が子ども用のボタンしか選択できないことは、問題ではないか、とその人は言います。
運賃が同じ半額だからいいということではない。人権上の問題です。関西の私鉄各社では券売機に障がい者用ボタンが設置され、東京でもりんかい線には設置ずみです。
東京都の福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルの2000年版には、誘導基準に「券売機に障害者割引ボタンを設置する」とありました。都は、2020年オリンピック・パラリンピック開催都市として、ユニバーサルデザインの視点に立ったまちづくりを充実させていく必要があります。
障がい者割引ボタンについては、国のバリアフリー法ガイドラインにも書かれています。現在見直しがされている福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルに入れるべきであり、質問しましたが、都は現状で問題なしとする認識にとどまりました。
続いてトイレ。オリンピック開催を意識して、さまざまな施設のハード整備が進んでいます。この機会に街なかの公衆トイレを東京都の「おもてなし」のツールとして整備を推進してほしいと考えました。
昨年、日本を訪れた外国人旅行者は、初めて1000万人を突破し、言葉や文化の違いを踏まえた受け入れ環境の整備が必要です。例えばトイレ。東京は、公衆トイレや、店舗で気軽に貸してくれる清潔で安全なトイレが街なかに点在し、外国人旅行者に大人気だといわれています。
けれどもトイレの使い勝手がわからずに困ったという外国人旅行者もいます。五輪開催を契機として、だれもが気持ちよく使えるトイレについて、一定の条件の下、「おもてなしトイレ」として認定することで、東京の魅力にさらに磨きをかけることができると考えます。
そこで、「おもてなしトイレ」認定制度を設け整備を進めることについて質問しようと試みました。しかし事前の担当者とのやり取りの中で、質問として成立させることをあきらめ、観光振興策について表示・標識等などの多言語表記の充実を問うという、まったく違う質問になりました。