開いた口がふさがらない 都立高校の入試採点ミス問題 ~文教委員会の質疑より 

9月26日「それでも異議あり、新国立競技場」集会で主催者のひとり、森まゆみさんと

9月26日の文教委員会で、都立高校の入試採点に関して、前回の報告からまた新たなミスが見つかったことの報告がありました。これでいったい何度訂正の報告を受けたことか。検査をするたびに数字が変わっている状況には開いた口がふさがらないというしかありません。

 すでに廃棄してしまった答案用紙にどれほどの採点誤りがあったのか、予測不能です。おそらく、本来は合格のはずなのに採点ミスによって不合格とされた受検生が過去に相当数いたに違いありません。それほどのことがこれまで全く明るみに出なかったことに、ことの重大さがあります。

 この問題が発覚した直後に、都教委はその理由について関係者に聞き取り調査を行っています。それによれば、管理職や教務・入試担当者が「思い込み、先入観」を第1位にあげ、2番目に管理職は「時間不足」、教務・入試担当が「集中力、注意力不足」と続くのに対し、現場の採点委員は「時間不足」が第1位、続いて「集中力、注意力不足」と「疲労感」が同数となっています。

 管理職らが人的ミスととらえる一方、現場はシステムの問題を主たる原因と考えている傾向が顕著です。立場の違いによる意識のギャップが明らかであり、これを埋める対策が必要です。

 都教委は再発防止・改善策を策定し、採点の日程を1日延長する、読み上げ方式による採点・点検を2系統で行う、マークシート方式を導入する、合否ボーダーライン上の答案の再点検…などを示したほか、合格発表後、申し出た受検者に答案の写しを交付することも打ち出しました。

これまで1年とされていた答案用紙の保存期限を3年にすることも明言しました。また、都立中高一貫校の入試に関する質問に対しては、再検査はしていないと答えたものの、今後十分に留意して取組むと述べました。

 遅きに失した感はありますが、今後2度とこのような問題が起きないよう、ここで示された方策を、効果検証までふくめて実行し、都民の信頼を取り戻す努力を強く求めました。