グローバルな都市ならLGBTを認めること~11/20文教委員会の質疑より④
2003年に「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」が公布されたこともあって、LGBTの「T(性同一性障がい)」の部分については少しずつですが取組みが進んできています。しかし「T」だけでは不十分です。
というのは、日本のLGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)もふくめた性的マイノリティの数は、2012年に民間事業者が7万人を対象に行った調査で5.2%と出されました。5.2%というと都民1,300万人のうち67万6千人。決して少ない数字ではありません。けれども日本ではLGBについてまだ理解が広がっているとはいえない状況です。
そのようななか、厚労省の研究事業の一環として、LGBTについて学校の授業でどのように扱われたのか調査が行われました。
それによると、保育園、幼稚園、小中高をふくめた教員にたずねたところ、2011年から13年にかけて、授業でLGBTについて扱った経験があると答えたのは14%だけ。ところが12%の教員は「T」の子どもに関わったことがあり、同性愛の子どもに関わった教員も8%いました。
現実に子どもの中にLGBTが存在しているのに、教員の側には授業として取組むことができない現実が浮かび上がったわけです。
法務省は「平成26年度啓発活動年間強調事項」を17項目定めていますが、その中に、「女性の人権」、「子どもの人権」、高齢者、障がい者、同和問題、などとならんで「性的指向を理由とする差別をなくそう」「性同一性障害を理由とする差別をなくそう」という2項目が入っています。国がLGBTを人権教育の課題としてとらえているということです。
LGBTについて、山梨県立高校でこの11月、「セクスチェンジデー」という興味深い授業が行われました。男女が制服を交換し男子がスカート、女子がズボンを着けて1日過ごす試みです(写真)。常識にとらわれず男女の価値観を見つめ直そうと、生徒が考えて実現させました。高校生が性の多様性に気づき、理解するきっかけとなる優れた取り組みだと思います。
東京都がグローバルな都市をめざすなら、多様な性のありようを受容する社会にしていかなくてはなりません。性同一性障害の「T」だけでなく「L、G、B」もふくめて性的マイノリティすべてについて認め合うことが必要です。質問の最後に、幼いときから教育において積極的に取組んでいくことを都に求めました。