LGBTの人権問題を教育課題に~ 2/27都議会の一般質問より⑦

舛添知事がうたう「世界一の都市」とは何か。「長期ビジョン」では「生活習慣・文化・価値観などの多様性や人権が尊重され、だれもが幸せを実感できる都市、だれもがそこに住み続けたいと思う都市」と定義されました。そこで、人権について、議会や定例会見でこれまで言及している知事に対し、見解を問いました。

 知事からは、「オリンピック憲章の理念を広く社会に浸透させ、基本的人権が尊重される社会を世界に示す」「パラリンピック成功のためにも、ひとを思いやる気持ちを一歩進める」と、予想通り2020年五輪を意識した答えが返ってきました。

 都は現在、「人権施策推進指針」の見直しを行っていますが、昨年7月に設置した有識者懇談会が半年間の議論を経て提言をまとめ、このほど公表しました。新たに取り上げるべき人権課題として、インターネットによる人権侵害やハラスメント、路上生活者など、今日的な課題があまねく捉えられています。

 とくに、今回加えられた性的指向をふくむ性的マイノリティー(LGBT)の問題は、いま取り組むべき重要な課題です。有識者懇談会において、性的マイノリティーに関してどのような議論が交わされたのか質問しました。

 これに対し総務局長が、現状を把握するため関係団体、各分野の専門家等へのヒアリングを実施し現在の法律の枠組みや医学的見地について議論したことを明らかにしました。

 LGBT当事者が置かれている状況は深刻です。就学前の幼児期に自分の性への違和感に気づくケースもあり、そのことで自分のアイデンティティーについて悩み苦しむ子どもが現実にいます。そしてそのことを家族にさえ言えないため、相対的に自己肯定感が低く、自殺の比率が一般の6倍にものぼることから、学校教育においてLGBTについての気づきや理解を深める取組みが必要、と当事者は訴えています。 

このような実態を受けて、LGBTの若者の生きづらさの解消や自殺予防に取り組む市民活動団体が調査活動を行なっています(こちら)。都教育庁はそのような活動と連携し、この問題を教育課題として取組むべき、と最後に主張しました。