文教委員会の視察~「かがやき」で石川県を訪れる

 

金沢城に近い尾山神社にある塔は和漢折衷。ステンドグラスがある珍しいデザイン

今年3月の北陸新幹線「かがやき」が開業し観光機運に沸く石川県。その石川県に、51819日、都議会文教委員会の視察で行ってきました。調査事項は、①石川県立商業高校の「ビジネスのスペシャリスト養成に向けた取組等について」、②石川県立美術館「石川県における美術文化の取組等について」、③かほく市宇ノ気(うのけ)体育館「かほく市における体育施設の複合化とスポーツ振興の取組について」の3点です。

金沢商業高校(金商=きんしょう)の取組み①は、文科省指定事業とのことで「石川の魅力をグローバルに発信できる人材の育成」がうたい文句です。生徒や教員から一人千円の出資金を募って模擬株式会社「金商ライフサポート()」を設立し、授業の一環として商品開発から販売、税金納付など実際にビジネスを体験するもの。過去5年間の売上げは130万~250万円といい、株主総会も行うそうです。

 ところで、この会社の製品である入浴剤と油とり紙の商品名が「金商美女物語」というのには、ひっかかってしまいました。生徒がつけたのかもしれませんが、「美女物語」という名前に不快な思いをする人はいないのでしょうか。ジェンダーフリー論を押し付けたいつもりではないのですが…。

 ②の美術館については、現場を愛してやまないと館長の熱意あふれるレクチャーが圧倒的でした。さすが古い歴史をもつ金沢のことだけあり、加賀百万石の栄華に裏づけられた文化遺産をいまに伝えるコレクションに、金沢人のプライドが見えました。

 19日に訪れた③かほく市は、金沢から車で45分ほどのところにある人口35千人の小さな町。ここでの視察先は、中学校の体育館を兼ねた市体育施設です。NPO法人である総合型地域スポーツクラブが指定管理者としてこの体育施設の管理を担っています。

 学校の授業時間中は体育の授業が優先使用ですが、それ以外はボクシング、バレエや各種ダンスなど、多彩なクラスが設置されています。ただし、この施設にはプールがありません。また、障がい者向けのプログラムもなく、営業上難しいのだろうと想像はするものの、せっかくの立派な施設だけに残念な気がしました。 

哲学者の西田幾太郎が、かほく市に合併する前のここ、宇ノ気地域の出身ということで、敷地内に西田の彫像が設置されていました。近隣の学校にはどこも同じ像が建っているのだそう。むかし、どこの学校にも二宮金次郎の像が建っていたものですが、それと似たようなものでしょうか。