公営企業会計決算委員会の質疑より6 ~生鮮食料品の経由が減り続ける中央卸売市場

 

東京自治研センターの「まちづくりウオッチング」に参加し、築地市場で説明を聞く 10/17

東京都は生鮮食料品などの流通を確保するため、市場施設の整備や維持管理などの事業を行っています。しかし近年、出荷団体の大型化、量販店のシェア拡大、業態の多様化、大口需要者による産地との直接取引などの流通チャンネルの多元化等に伴い、生鮮食料品の流通構造が大きく変化してきました。

 加えて、加工品や輸入品など卸売市場を経由しない物品の流通が増加するなどを背景として、市場外流通が増大し、市場経由率は低下傾向にあります。

 このような状況を踏まえて策定した第9次東京都卸売市場整備計画(20112015)では、「都民の食の安全・安心への期待に応える」「生産者・実需者の多様なニーズに応える」「市場の活性化を図る」「財政基盤を強化する」の4つを市場整備の方針として示しました。

 また市場整備計画には、地方卸売市場の機能強化や、東日本大震災を踏まえた災害対応力の強化にも取り込むことが記載されています。

 生鮮食料品と花きの取扱数量および取扱金額について、また、生鮮食料品の2014年とピーク時との取扱数量の比較について、決算委員会の質問で確認しました。

 水産物部は、取扱数量は毎年減少していますが金額は逆に増加傾向です。一方、青果部は、取扱数量は小幅な増減はあるもののほぼ横ばい傾向ながら、金額は毎年増加しています。

 また食肉部は、取扱数量も金額も毎年増加し、特に取扱金額の増加が大です。花き部は、取扱数量も金額も毎年わずかながら減少しています。

 生鮮食料品の2014年の取扱数量とそれぞれのピーク時との比較については、水産物部は、1987年がピークで約89万トンでしたが、2014年では約479千トン、率にして53.9%であり、ほぼ半減です。

 青果部については、水産物と同じく1987年がピークで約2933千トンに対し、2014年では約2077千トン、率にしてピーク時の70.8%。食肉部は1989年がピークで約124千トンでしたが、2014年では約87千トン、ピーク時の約70.2%となっています。

 生鮮食料品の取扱数量は、ピーク時に比べると水産物、青果物、食肉、どれをとっても減っていることが明らかです。