公営企業会計決算委員会の質疑より8 ~卸売市場の環境・衛生、食の安全・安心
中央卸売市場で2014年度に発生した廃棄物の総量は約4万トン。内訳は、輸送中の荷傷みや商品の小分け、加工等によって発生する野菜くずや魚のあらなどの一般廃棄物が約7割、輸送に使われた木製パレットや使用済みの発泡スチロールなどの産業廃棄物が約3割です。
廃棄物処理は、食品リサイクル法および容器包装リサイクル法などの趣旨にのっとり、発生抑制やリサイクルが実施されています。
各市場では、業界団体が運営主体となり、使用済みの発泡スチロールを溶融固化しプラスチック製品の原料とするほか、青果部では、野菜くず等をバイオマス発電や飼料の資源として活用し、水産物部では、マグロの頭等を飼料として再生利用してきたとのこと。
また、発泡廃棄物や木製パレットの再生処理を行う業界団体に対し費用の一部を補助し、発泡廃棄物等処理施設などの導入に対する補助も都が実施しているとのことです。
先日、築地市場の中を視察した際にも、衛生管理が行き届いているのを感じました。それでも、カラスなどの鳥や小動物を目撃したという話も聞きます。生ごみの処理が適切になされるよう、引き続き環境対策の徹底を求めました。
牛肉のBSE検査については、福祉保健局が「48か月齢を超える牛」および「生体検査において屠畜検査員が必要と判断した牛」について検査を実施し、2014年度は194頭の検査を行っています。
牛肉の放射性物質検査については、「芝浦屠場で屠畜したすべての牛について、中央卸売市場、福祉保健局、卸売会社が協力して検査を実施し、2014年度は98,996頭の検査を行った。2014年度にBSE陽性となった牛はいない。また、放射性物質検査で基準値を超えた牛もいない」ということを確認しました。
国産牛肉の安全と安心を確保するため、BSE検査と放射性物質検査は欠かせません。今後もこの検査は継続することを求めました。
卸売市場について消費者の立場から考えると、私自身も市場を介さない産地直送型で生鮮食料品を購入しています。これは、食の安全のためには流通過程での透明性が必要であり、トレーサビリティー(追跡可能性)のしっかりしたものを選択しているからです。
都は、今の第9次卸売市場整備計画が今年度いっぱいなので次の計画策定の作業にかかることになります。先ごろのTPP合意事項による影響を受けることになると思いますが、今後の卸売市場のあり方を考えるとき、このような消費のしかたも消費者のニーズのひとつとしてとらえ、検討課題にしてほしい、と発言しました。