こどもにやさしい社会をつくる…2016年の初めにあたり。

戦後70年にあたる昨年は、安保関連法をめぐり民主主義の歴史に禍根を残した年になってしまいました。政治にかかわる身として少しでも「非戦・憲法」の側に動かすことを自分の役割と心得て活動してきたつもりでしたが、無力さを思い知らされました。

 けれども一方で、希望に目を開かされた記念すべき年でもありました。正直、思ってもいなかったことでしたが若い人を、この社会を構成する仲間として信じよう、そしてやっぱり子どもの成長を信じよう、と思いを新たにしました。

 先日、情報誌『生活と自治』の中の、昨年10月に厚労省が発表した「人口減少社会に関する意識調査」についての記事が目を引きました。住宅地に立地する保育所について、「子どもの声は騒音」という声があることをどう思うか、という問いに対するアンケートの結果についてです。

 「とても同感」と「ある程度同感」を合わせた数値が35%、しかもこの数値が最も高いのは40代女性だというのです。この年代の女性のなんと49.9%が「とても」あるいは「ある程度」同感する、子どもの声は騒音だ、と答え、この数値は他の年代や男性に比べて飛びぬけて高いと言います。

 これはいったいどうしてなのだろう、と記事はつづっています。40代女性といえば、つい最近まで子どもが幼かった人が多いから子どもに対して寛容だろうと思うのに、まったく逆の結果とは。意外で信じられず、自分の目で確かめようとインターネットで確認したほどでした。

 この答えはいずれ誰かの分析を待つことにしますが、子どもの元気な声が響きわたる地域は近所づきあいが濃いのではないか、という気がします。

 子どもの声に対して寛容な社会でありたい。子どもにやさしい社会をつくりたいと、改めて思います。