家庭的な看取り「ホームホスピス」に支援を ~予算特別委員会の質疑より2
余命少なくなったときに自宅で過ごしたいという人は約8割にのぼり、最期のときを家庭的な雰囲気で迎えたいと考えていることがうかがえます。
都の「地域包括ケアシステムのあり方検討会議」の中間まとめでは、終末期を地域で暮らし続けたいという希望に対応できるよう、地域に根ざした「とも暮らし」などを含む多様な看取りの場として、ホームホスピスが紹介されています。
日本で最初のホームホスピスは2004年に宮崎市で誕生し、現在では約20地域に広がっています。1月、小平市にあるホームホスピスを視察してきましたが、もと個人の住宅に、病気などでひとり暮らしが難しくなった高齢者が家庭的な雰囲気の中で共同生活し、希望があれば最期の看取りまで対応しています。
「ホームホスピス」のような取り組みを広げていくために、都として支援することが必要と考え、今後の取り組みについて質問しました。
都は、「地域の医療機関と連携して看取りに対応する小規模施設に対し、開設時の施設・設備の整備費や運営費に対する補助を来年度から開始する」とし、「看護・介護職員等を対象に、多職種連携の方法や家族との接し方など、看取りのための研修も行い、暮らしの場での看取りを支援する」と前向きな答えでした。
また、がん患者にとっては病状の進行に伴い、さまざまな身体的・精神的苦痛が生じますが、緩和ケアによってほとんどは在宅でも緩和でき、家族とともに、残された時間を穏やかに過ごすことができるようになっています。
在宅療養を希望するがん患者が住み慣れた地域での暮らしを続けていくには医療との連携体制が重要であり、質問しました。
都は、「地域の病院が患者を引き継ぎ、化学療法等の治療を行いながら円滑な在宅移行を支援することと、かかりつけ医が行う在宅での治療や緩和ケア等を支援する」ことが必要であるとし、「都が2014年度から都内4病院に委託して実施している、地域医療連携に関するモデル事業を検証した上で、来年度は地域の病院の役割やかかりつけ医と連携して行う緩和ケアのあり方などについて検討する予定」との答弁でした。