若者のひきこもりからの自立支援について ~予算特別委員会の質疑より10
都内の15歳から34歳までのひきこもり状態の若者は、都の実態調査によると約25,000人と推定されています。社会的自立に困難を抱える若者やその家族に対する支援が必要です。
2014年6月から都は、青少年・治安対策本部の事業として、ひきこもりに悩む家庭への訪問相談「東京都ひきこもりサポートネット」を開始しました。2014年の事業開始から2016年2月末までで、80件という実績です。
この事業は、全区市町村に申込受付窓口を置き、若者やその家族を支援するさまざまな相談・支援機関につないでいます。
具体的には「臨床心理士が医師と連携して、若者やその家族が置かれた状況や要望を的確に見極め、きめ細かに対応に努めており、国の就労支援機関である地域若者サポートステーション等につなげた事例や、アルバイトを始めた事例がある」とのことです。
将来的には、区市町村が支援体制を整備し、東京の子ども・若者がどこに住んでいても支援を受けられるようにすることが目標です。
そこで、都が区市町村と今後どのように連携していくのか質問したところ、「この取り組みから得たノウハウや、自治体の先進的取り組みについて、情報交換会等の機会を通じて区市町村に還元する」とのことです。
また、「東京都子供・若者計画」の策定を契機に、区市町村の「子ども・若者計画」の策定と「子ども・若者支援地域協議会」の設置を促進することで、若者の自立を支援する体制整備を都内全域で推進していく、としています。
ひきこもりからの脱却は難しい課題ですが、一人ひとりに寄り添った取り組みをすすめてほしいものです。