3月22日の文教委員会の質疑より② ~都立高校三部制の問題を考える…荻窪高校の場合
都教委が、小・中学校で不登校経験のある子どもが(大人も)多く入学できるようにと、新たなチャレンジスクールの設置と、これまでの夜間定時制高校を閉鎖して昼夜間定時制高校の設置をすすめていますが、問題も感じています。
荻窪高校は全日制と定時制の併置校でしたが、2007年4月から、午前部(1部)・午後部(2部)・夜間部(3部)にそれぞれ4時間の授業を行う昼夜間三部制の単位制・定時制普通科高校となりました。
荻窪高校では、1部の生徒が2部の授業も選択可能であるため、4年間在学しなくても3年間で卒業に必要な単位が履修できるようになっています。選択の仕方によって、昼過ぎに登校して夕方まで6時間授業を受ければ、6時間授業の全日制の学校に入ったのと同じことになり3年間で卒業できるわけです。
学校案内パンフによれば、1部と2部の生徒の95%以上、3部の生徒も約8割が3年間での卒業を希望しています。実際も直近3年間の平均で、242人の入学に対する卒業者171人中133人、すなわち約8割が3年間で卒業していることが質疑からわかりました。4年間での卒業が基本とされますがそういう生徒は残りの38人です。
この三部制は、朝起きられない生徒にとってはありがたい制度だと言います。生活習慣の乱れや病気のために朝が弱い生徒にとって、ニーズにかなっているとも言えます。けれども教師の1日の授業のスケジュールと生徒のスケジュールとの間にギャップがあり、その問題点が指摘されています。
教員の勤務体制について質問したところ、昼夜間定時制である荻窪高校では、8時40分から勤務が始まるA勤務と、12時50分から勤務が始まるB勤務を基本として、教員の勤務時間の割り振りを設定している、とのこと。
生徒は3部制、教員はA・B勤務の2部制ということは、生徒にとっての放課後と担任にとっての放課後が一致しないということです。生徒指導が十分にできないなど、不都合は生じていないのでしょうか。
この質問に対し都教委は「放課後もふくめて適切に対応している」と答えましたが、A勤務の教員は1部の授業が終わっても2部の授業を担当していれば、実際には1部の生徒の対応は難しいと思います。