子宮頸がんワクチンの副反応被害に都は向き合え ~6月2日都議会の一般質問より④

子宮頸がんワクチンは、法定接種となって2カ月後の20136月、接種後の健康被害の問題を無視できなくなった厚労省が積極的勧奨を中止し、それ以降の副反応被害の発生は抑えられています。しかしそれまでの約3年間、各自治体が中高生女子を対象に国の助成による接種事業を行い、対象者の約7割が接種済みの状況でした。 

その時点で副反応報告数は全国で約1,200件、そのうち障がいが残るなどの重篤なケースは100件を超えており、それから4年経った現在、副反応被害者への支援活動を行う民間団体は、都内在住の被害者約50人を把握しています。 

ほとんどが中高生のときに「無料だから」「将来がんになるのを防ぐため」として接種を受け、その後、重篤な健康被害により青春が奪われた状態にあります。ところが国がワクチン接種との因果関係を認めていないため、いまだに正当な救済策がとられていません。 

彼女たちは、高校や大学に籍のある間は、学校現場の裁量によって支援を受けなんとか生活できていたものの、卒業後は就職もできず不安定な状況に置かれ、現在のしくみでは十分な支援を受けられていません。家庭内の不和、経済困窮などの問題を抱え、母子で孤立してしまうケースが急増しています。 

接種当時の中学生がいま成人となり、問題は健康面にとどまらず生活全般にわたり複雑化・重層化しています。都としての相談などの支援体制を求め、見解を問いました。 

都の答弁は、「副反応とみられる症状があった場合、医療機関等から国に報告することが求められており、国は、その報告に基づき追跡調査を実施している。都は、接種後に症状が生じた方からの相談に対応するため、201511月に相談窓口を設置し、協力医療機関等の案内などを行っている。 

また、国に対し、予防接種に関して、ワクチンの有効性や安全性を十分に検証した上で、国民にわかりやすく情報提供を行うとともに、重い副反応が生じた場合に適切な医療を受けられる体制や、被接種者等からの相談に適切に応じる体制を整備するよう提案要求している」というもの。

都は子宮頸がんワクチンの副反応被害者に向き合い、一人ひとりに寄り添う支援策を講じるべきです。まずは、被害の実態を把握すべきであり、実態調査の実施を求めるものです。

 

*写真は、5月16日、都庁内にて子宮頸がんワクチン被害者連絡会のみなさんと都福祉保健局の職員。この日、連絡会から小池都知事に宛てて要望書を提出した