グレタさんに教えられた「環境は子どもの権利」

私たちは絶滅の危機にあるのに、あなた方の話は永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり—―。

9月23日、国連の気候行動サミットでスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが行った演説に圧倒されました。グレタさんは世界各国から集まった代表たちを前に、気候問題に対する無策への怒りをほとばしらせました。

この16歳の少女の行動力には目を見張らずにいられません。1年前から毎週金曜日には学校を休んで温暖化防止を呼びかけるアピール行動をひとりで実行し、その活動が注目され他国から講演に招かれると、温暖化ガス排出量の多い飛行機に乗ることを拒否して鉄道旅を敢行する。

今回のサミットに参加要請されると、ロンドンから国連本部のあるニューヨークまで、なんと2週間かけてヨットで大西洋を渡りました。その徹底ぶり、あっぱれというほかありません。

彼女の国連スピーチの冒頭は「私は今、この壇上にいるべきではない。私は海の向こうで学校に行っているべきだ」というものです。それができないのは環境危機が深刻なのに対策が進んでいないからだ、「あなたたち」がちっとも行動しないからだ、そしてそのつけを私たち世代に押し付けようとしている――。

別の場面でグレタさんは、「私たちの未来が奪われている、命にかかわる目的のため学校に行けない、生きる権利も学ぶ権利も侵害されている、国連が子どもの権利条約を決めたのに」と言っています。

はっとさせられました。環境は子どもの権利であるということ。環境と子どもの権利について、こんなに鮮やかに、子ども自身によって語られたこと。

彼女の訴えは若者世代の共感を呼んでデモ行進に発展し、さらにEU諸国から大陸を超えた運動へと広がり、米国のオバマ前大統領の言った「世界を変えているね」の言葉どおりです。私たちは彼らに恥じないよう行動しなければ、と改めて思います。