よみ人再開@第九の部屋

阿佐ヶ谷にある第九朝鮮初級学校の「サランの会」は、学校支援ボランティアのようなものです。学校の図書室で「サランの会」が土曜日に行っている読み聞かせの会「第九の部屋」。昨年はコロナ禍のせいで予定していた「第九の部屋」がキャンセルとなり、その後もけっきょく開催できずに終わりました。

コロナ禍により他の一般の学校と同様、朝鮮学校も休校となり、卒業式そのものはもちろん関連行事もすべて中止、学校再開後も「第九の部屋」は開催が見送られ、「よみ人(読み聞かせボランティア)」の出番がなかったのは仕方ないことでした。

 

卒業する6年生のための「第九の部屋」特別版 3月13日

で1年以上ぶりの「よみ人」。2月は私にしては珍しく低学年対象、3月は卒業する6年生が対象でした。

私はどちらかというと高学年向けのドラマチックな物語とかノンフィクションの読み物を読む方が自分に合っていると思うのですが、2月に回ってきたのは低学年の「第九の部屋」で、持ち時間は15分。『すてきな三にんぐみ』(トミー・アンゲラー/作 いまいよしとも/絵)、『このほんよんでくれ!』(ベネディクト・カルボネリ/文 ミカエル・ドゥリュリュー/絵 ほむらひろし/訳)、そして『ここは』(文/最果タヒ 絵/及川賢治)の3作を読みました。

『すてきな』はよく知られた絵本なので「持ってる」という子も数人、付き添いの先生も子どものときに読んだとのことで、なつかしそうでした。『ここは』は『夜空はいつでも最高密度の青空だ』の作者(最果タヒ)による詩で、読み進むうちページをめくるたびに「わー!」「えー!」などと子どもたちの声が上がり、こちらも楽しくなりました。

3月は卒業記念の特別版で45分という長丁場なので、選書には迷いました。1冊目はイラクで本当にあった話『バスラの図書館員』(絵と文/ジャネット・ウィンター 訳/長田弘)。それからノンフィクション物『りんごのおじさん』(竹下文子/文 鈴木まもる/絵)、『ぼくはだれもいない世界の果てで』(M.T.アンダーソン/著 ケビン・ホークス/絵 柳田邦男/翻訳)を選択。

ミャンマーの惨事のことが頭にありミャンマーの本を探しましたが適当なものが見つからず、イラクの本になりました。戦禍の中で本を守った図書館員のお話です。子どもたちが少しでもメッセージを感じ取ってくれたら最高にうれしいし、そんな想像をする「よみ人」の方が楽しませてもらう「第九の部屋」です。