「ケアラー(介護する人)をささえる」しくみづくりを

東京・生活者ネットワークが衆議院議員大河原雅子さんの事務所から委託を受け2020年にスタートした調査活動「ケアラー支援 政策提案のための調査プロジェクト」の調査報告集が、このほどまとまりました。

4月13日都庁で開かれた報告集会にて大河原雅子さんを囲んで。大河原さんの後ろが堀越栄子さん

 

この調査は、ケアラーの現状を広範に「広く浅く」とらえるのでなく、「狭く深く」一人ひとり時間をかけて話を聞き取ることで共通の課題を抽出し、その解決のための政策提案につなげようというものです。

 

日本に「ケアラー」という言葉を根付かせ「ヤングケアラー」の存在を初めて提示した(一社)日本ケアラー連盟の代表理事、堀越栄子さんがアドバイザーを引き受けてくださり、専門的見地からこの活動に終始一貫して協力くださいました。

 

対象となった都内23人のケアラーは、年齢やケアの内容、状況などさまざまで、多様なケアラーの存在が確認できました。私も杉並区議の奥田雅子さんとペアでふたりのケアラーにインタビューし、生の声を聴けたのは貴重な体験でした。いずれもこういう機会を待っていたかのように、快く話してくださったのが印象に残りました。

 

なりゆき上プロジェクトリーダーのひとりだった私は、報告集の「はじめに」として次のような文章を寄せました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

2000年に始まった介護保険制度は、高齢化が進む社会の必然でしたが「介護する人をささえる」発想は欠けていたと思います。2010年、杉並区議会で私が初めてケアラーという言葉を使って一般質問を行ったのは、須田春海さんのブログがきっかけでした。須田さんは、日本の市民運動のリーダーであり生活者ネットワークにとっての恩人。ALSという難病に倒れ自宅で療養生活を送る須田さんは、自分の介護にあたる家族の疲労を目にし、動けない身でベッドの上から苦しい心情をつづり介護者支援のしくみが必要、と繰り返し発信していました。

 

いま東京の要介護認定者と障害者手帳の所持者は合計130万人を超え、都民の1割近くに上ります。国や自治体は難病の患者等もふくめ在宅でケアを受ける人たちへの施策を講じ、ケアラーのための支援メニューも整えてきたものの、多くは体系的な制度化に課題を残しています。

 

今回のプロジェクト活動はその制度化を促すことを目標に取り組みました。調査にご協力くださったケアラー23人のみなさんに心より感謝をこめて、この報告書をお届けします。