【2025都政に挑戦】➄ 善福寺川上流地下調節池の事業になぜ賛同できないか
杉並区の西荻・善福寺地域で進行する2つの公共事業、外環道と善福寺川上流地下調節池はいずれも地下深いところを貫くトンネル構造です。シールドマシンという巨大な掘削機を長期にわたって稼働させる大がかりな工事となり、当然ながら莫大な費用を必要とします。この2つとも、進めることに私は反対です。なぜかというと――

都議会議員選挙に挑戦する3人を囲んで、応援する仲間たちと 4/5荻窪北口
善福寺川の地下調節池は、豪雨の際の洪水対策として雨水を一時的に貯留する施設です。この工事のため区内3カ所に建屋をつくると言い、原寺分橋の周辺では現在人が住んでいる住宅の立ち退きが必要であることが 2023年8月に突然知らされました。決まる前に知らされることはなく、当該地域の住民たちを無視して今年1月、この事業計画は認可されてしまいました。
住民参加と情報公開が求められる今日のやり方とは思えない、悪しき進め方と言わなければなりません。この工事は17年かかると言いますが、今からすぐ始めるわけではなく、用地を確保し事前の手続きや準備を終えてから17年ということは、完成するまで20年30年かかるということです。その間はどんなに雨が降っても役に立ちません。
それよりも、雨水を受けとめる透水性の地面にする、校庭や公園などの土の下に貯水槽を埋め込む、地面の下で水を貯える樹木を増やすなど、グリーンインフラの整備をもっとすすめること。また善福寺川には武蔵野市からの排水が流れ込む構造になっているので、その流入量を減らすよう、
武蔵野市にできるだけがんばってもらうこと、など洪水の被害を軽減するためにできることはあります。グリーンインフラをすすめることは、気候変動対策としても有効です。
環境保全の観点から言うと、この工事によって住宅の取り壊しだけでなく大量の樹木伐採が行われることも問題ありです。おまけに、工事が完成した場合の効果を測る費用便益分析を都市工学の専門家が試算したところ、費用に見合った効果は期待できないことがわかりました。
というわけで善福寺川上流地下調節池の事業には賛同できるところがありません。