米国の選挙結果「オバマ民主の大敗」に思うこと

我が国の政権が重なって見えてしまう

区政報告の街頭遊説
区政報告の街頭遊説
11月2日に行われた米国の中間選挙の結果は「民主党の歴史的大敗」となりました。初めてのアフリカ系大統領を米国民は熱狂で迎えたのに、わずか2年でずいぶん手痛い評価を下したものです。オバマはそんなにひどいことをしたでしょうか。

財政問題が敗北の最大の原因と言われますが、100年に1度の経済不況はたやすく回復できるものではないからもう少しようすを見てみよう、と思わなかったのか。そもそも経済の失政はブッシュ前大統領が招いたものでしょうに。

忌まわしい「テロとの戦い」を狙い通りにいかなかったにせよ早く終息させようと努力したし、ノーベル賞に値するかどうかは別にしても「核なき世界」をめざしたアピールは世界中の人を感動させたし、マイケル・ムーア監督が映画『シッコ』で強烈に批判した医療保険制度を、ヒラリー・クリントンにとっても悲願だった福祉の理念をもつセーフティネットの制度に変えたことなど、私は前政権より「ずっとまし」だと思っているのですが。

もっとも従前より「ティーパーティー」なる右翼的な草の根運動の拡大ぶりと併行してオバマの支持率の急降下ぶりが大きく報じられていたので、この結果は大方の予想通りです。

なんだか、日本の状況とよく似てる。変化(CHANGE)を選んだ国民の熱狂、即成果を求めて待てない人びと、メディア。掲げた理想と現実のギャップを許容しない世論、ジャーナリズム。

日本の菅政権のほうが事態はもっと不安材料が多いかもしれません。外交、治安、情報管理の面でも。ただ、それにしても「前政権のほうがましだった」とは私は思わないし、国民の意思も「いましばらくはこの政権を見守っていきたい」というのが本当のところでしょう。とはいえこんなときだからこそ、この国の進路をちゃんと示すべきだと思います。