絶賛する人ばかりじゃない「減税自治体構想」

まともに反論しにくいのが困りもの

12月10日 栃木県足利市のココ・ファームにて
12月10日 栃木県足利市のココ・ファームにて
杉並・生活者ネットワークでは、年4回の議会定例会が終わるごとに「議会活動の報告」兼生活者ネットの広報紙『生活者ネットすぎなみ』*を発行しています。今度の74号の1面記事のテーマは「減税自治体構想」。

これについては11月に(財)地方自治総合研究所の研究員、菅原敏夫さんを講師に学習会を開き、「異議あり」という生活者ネットの考えをHP上で表明しています。

記事の最終稿として固まるまでの数日間、編集メンバーと「構想」についていろんな議論をしました。この間に名古屋市の減税制度が市長vs.議会の攻防を経て議決され、ちょうど国会の予算編成の時期でもあり、「税とは」「減税とは」について多く考えさせられました。

「構想」の提唱者である区長は、区主催の集会や民間の講演会などで精力的にアピールに努めたようですが、参加した人から聞こえるのは「批判的な視点からの議論がされない」という不満です。

減税構想すなわち貯金(=将来への備え)に例えられているので、まともに反論しにくいのが困りものです。区が制作したマンガなど、この構想を「文句なしにいい」と考える人には大いに納得できるが、「どうもヘン」「なんだかうさんくさい」と感じている人には最後まですっきりしない内容です。

ちなみに弘兼憲史氏の監修によるこのパンフは、制作費200万円で3万部印刷、好評につき増刷を予定、だそうです。区のHPでも見られますが。

2009年杉並区政10大ニュースにも挙げられているけれど、この「構想」を絶賛する人ばかりとは考えにくい。議会ではすでに賛否が分かれています。それなのに是非がひろく論じられないのが不思議です。

新年の第1回定例議会で「基金条例」が提案されることになっていますが、この税収減の状況下でどうなることやら。

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