01年に日本で最初のBSE感染牛が見つかり、その影響で牛肉の消費が落ち込んだまま戻らなかった翌年の春、安全な牛肉を供給しようと努力する国内生産者(酪農家)を応援するため——というとおこがましいのですが。
なにも私ひとりが食べることによって消費がぐんと上がる、ということがあるわけはないのですが、安全に配慮した生産システムが持続するためには消費が持続しなければなりません。その信頼できる国内生産者の牛肉を食べ、エールをおくるという意思の表明でもありました。
人が「何を食べるか」選ぶ基準がいつも、安いとかおいしいとか、表層的な問題とは限りません。安全か、健康によいか、というのとも実は違う。
私にとっては安全性よりも、持続可能な、環境にできるだけ負荷を与えない方法で生産され、運ばれた食べ物を選びたい。自分だけが安全なものをとか、自分だけ健康を求めているのではありません。そして人はそういうものを選ぶ権利があるはずなのです。だから私は北米産牛肉は選びません。
でも行政には義務があります。食の安全確保に努める義務。「国民の健康保護が最も重要であるという基本的認識のもとに」と、食品安全基本法にもあります。しかし今回の北米産牛肉の輸入再開はどうでしょう。国民の健康保護を最重要視するならこういう判断をするでしょうか。
いったい日本は米国と日本の消費者と、どちらの味方なのでしょうか。
写真・12/15子ども部会のヒアリングの後で、区議会応接室にて。