豊洲問題 どうする環境アセスメント ~10月都議会の一般質問より②
一連の豊洲新市場問題について、都の内部調査では、なぜ、建物の下も「盛り土を実施した」という間違った説明がまかり通っていたのか究明されず、「空気のように決まっていった」という生ぬるい報告でした。都政への信頼を失墜させた歴代の市場長や管理職の責任は免れず、都議会のチェックの甘さも厳しく問われています。議会として百条委員会を設置し、真相を明らかにしていく必要があります。
先般、モニタリングポストから環境基準を上回る量の有害物質が検出されました。土壌汚染に関する安全性について、都は水質や空気中の化学物質を調べていますが、知事は、専門家会議を復活させ、さらにプロジェクトチームも立ち上げ検討するとしています。
では、最終的に安全性の確認は、だれがどのように判断するのか。この質問に対し、中央市場長の答弁は「地下水モニタリングの結果や、盛り土がなされていなかった問題について専門家会議や市場問題プロジェクトチームにおいて調査、検証し、その結果をもって知事が総合的に判断する」とのことでした。
「盛り土あり」を前提に行われた環境アセスメントは再度提出し直す必要があるのではないか、という指摘を受け、所管はアセス変更届を提出する意向を表明しています。
ところで豊洲新市場計画の環境アセスメントは、2011年7月、すでに「盛り土なし」の工事が発注された時期に環境影響評価書が出されています。ところが評価書には盛り土することが明記されました。これは虚偽記載と言わざるを得ません。
都の環境アセス条例によれば、虚偽の報告をしたときは、当該事業者を公表する規定があります。今回の問題発覚によって、今後どのように対応するのか、見解を質しました。
答弁に立った環境局長は、「環境影響評価条例第91条第1項第1号に定める『事業者の氏名等の公表』の規定が適用される可能性がある」としながらも、中央市場からは、すでに変更届提出の意向が出ているので、氏名等の公表により手続きの確実な遂行を担保しようとする条例の趣旨に照らせば、「本条を適用する必要性は乏しい」と述べるにとどまりました。
変更届を提出するだけで「おとがめなし」とする環境アセスのしくみそのものの限界が見えた感があります。